STANDAGE、DCP、2028年度の商用化に向け決済一体型貿易プラットフォームの共同検討を開始
~eB/L(電子船荷証券)と商工中金が発行するトークン化預金「DCJPY」を活用し、商流と金流の同期を実現。中小・中堅企業の海外展開と貿易DXを強力に推進~
株式会社STANDAGE(読み:スタンデージ、本社:東京都港区、代表取締役:足立 彰紀、以下「STANDAGE」)と株式会社DCP(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員 CEO兼COO:平子 惠生、以下「DCP」)は、株式会社商工組合中央金庫(以下「商工中金」)の参加のもと、決済一体型の貿易プラットフォーム(PF)の共同検討を開始いたしました。電子船荷証券(eB/L)を解禁する商法改正案が本年10月に閣議決定され、2027年度中の施行が見込まれるなか、eB/Lの本格普及を見据えた2028年度の商用化に向け、eB/Lと商工中金が発行するトークン化預金(※1)「DCJPY」を連携させた同時決済を検証し、「商流の電子化と金流との同期」、さらに将来的には「金流の透明化、高速化」を目指してまいります。
■ 背景と社会的課題
紙のB/L(船荷証券)を用いた現行の貿易実務では、代金決済における未回収リスクや紙書類の郵送に伴うタイムロスが、中小・中堅企業の資金繰りを圧迫する要因となっています。さらに、貨物が船荷証券よりも先に到着してしまうことで高額な滞船料(デマレージ)が発生する課題も深刻化しており、デジタル化による効率化が急務となっています。
現在、国内外で貿易・金融のデジタル化に向けた環境整備が急速に進んでいます。国連(UNCITRAL)のモデル法(MLETR)に沿い、本年10月23日にeB/Lに関する商法改正案が閣議決定されるなど、2027年度中の施行に向けた法整備が本格化しています。さらに、政府の「骨太の方針2026」におけるオンチェーン金融の推進や、銀行業界におけるFATF審査厳格化に伴う高度なコンプライアンス対応(AML/CFT)を背景に、ブロックチェーンを活用した次世代決済インフラへの移行は不可避の選択となっています。
こうした背景のもと、eB/L等の導入によって「商流(書類・データ)」の電子化が進み、デジタルデータと実際の貨物の動き「物流(貨物の移動)」をスムーズに連動させる環境は整いつつあります。しかし、最終的な「金流(代金決済)」がそれらと分断されたままでは、貿易手続き全体の真の効率化は実現しません。また、従来のSWIFT等を介した海外送金は、着金までに時間とコストを要し、資金繰りの不確実性が中小・中堅企業のグローバル展開における足枷となっています。
貿易DXにおける最大のボトルネックとなっているこの「商流・物流と金流の分断」を解消すべく、本モデルを用いた共同検討を開始し、実証実験に向けた準備を進めてまいります。
■ 目的
本取り組みは、eB/L等の貿易書類とトークン化預金を連動させた「商流の電子化と金流との同期」を実証し、2028年度の商用化に向けた実用的な運用モデルを確立することを第一段階の目的としています。これにより、中小・中堅企業の貿易業務におけるタイムラグ解消や業務効率化を実現します。さらに、将来的にはクロスボーダー決済網への接続も見据え、「金流の透明化、高速化」へと発展させることで、日本における貿易手続き全体のコスト削減やサプライチェーンの透明性確保、レジリエンス(強靭化)など、持続可能な社会・産業基盤の構築へ貢献します。
■ 貿易関係者・関連業界への貢献
本取り組みではeB/Lとトークン化預金「DCJPY」を連携させたDvP決済スキームの構築を目指します。本スキームの実現により、以下のメリットを見込んでいます。

- 輸出企業の代金未回収リスク低減と資金回収の早期化:STANDAGEが採用するCargoX社(※2)のeB/LプラットフォームとDCPのトークン化預金プラットフォーム「DCP」を連携し、スマートコントラクトによる自動処理により、確実なDvP(同時履行)の実現を目指します。これにより商品先渡しに伴う代金未回収リスクを大幅に低減します。さらにペーパーレス化により、従来の紙書類のやり取りに伴う国際クーリエ等の配送費用や事務コストを削減するとともに、書類郵送のタイムラグを解消し、船積みから資金回収までのリードタイムを短縮します。
- 輸入企業のデマレージ(滞船料)回避と柔軟な決済:24時間稼働するスマートコントラクトにより、従来の紙書類の郵送や銀行窓口への訪問といった物理的な制約を受けず、コンテナの動静に合わせていつでもオンラインで手続き(申請)を行うことができます。その後、銀行による所定の確認を経てeB/Lの権利移転・決済が可能になるため、書類の到着遅延による貨物引き取りの停滞を防ぎ、高額なデマレージ等の追加コスト発生を回避します。
- スムーズなデジタル貿易決済の導入:DCPのトークン化預金プラットフォーム「DCP」上で、トークン化預金「DCJPY」を利用した安全な大口デジタル決済環境を提供。企業側で大規模なシステムの構築や経理フローの変更を必要とせず、普段の預金口座と同じ感覚で利用可能です。
- ペーパーレス化による業務効率化と構造改革:貿易手続きのデジタル完結・一元化により、郵送費や作業時間などの附帯コストを抜本的に削減します。ブロックチェーン技術の活用で可視化とレジリエンス(強靭化)を高めつつ、紙の物理輸送をなくすことで環境負荷(CO2)も低減し、持続可能で効率的な次世代の貿易インフラを構築します。
■ 本モデルの確立による関連業界への波及効果
- 金融機関の迅速な貿易DX参入とシステム拡張性:将来的に他の金融機関がトークン化預金プラットフォーム「DCP」上でトークン化預金を発行し、STANDAGEの貿易PF「デジトラッドペイメント」と容易に連携できる、拡張性の高いネットワーク基盤となっています。また、国内の決済基盤にとどまらず、将来的には海外送金ネットワークへの拡張も視野に入れた柔軟な設計となっています。
- 金融機関を通じた中小・中堅企業の貿易DX即時導入とガバナンス強化:各金融機関は最小限のシステム対応で今回検討する基盤を活用できるため、中小・中堅企業は普段利用している金融機関を通じて、大掛かりなシステム改修を行わずに最新の貿易DXの仕組みを迅速に導入することが可能となります。同時に、デジタル証跡を活用した高度なAML/CFT(マネーロンダリング等防止対策)管理やペーパーレス化により、金融機関側のガバナンス強化と事務プロセスの大幅な効率化も実現します。
■ 両社の今後の展開
両社は今後の実証実験を通じて、2028年度の商用サービス化に向けて以下の展開を見据え、制度・技術・実務フローの確立を加速させてまいります。
- STANDAGE:本決済機能を「デジトラッドペイメント」へ迅速に組み込み、貿易業務の完全 ペーパーレス化と即時決済を実現します。手続きや決済の複雑さを解消することで、中小・中堅企業の新たな貿易取引への挑戦と、持続的な売上成長を後押しします。
- DCP:高度なデジタル決済インフラの提供を通じて、金融機関とPF事業者が共創する次世代の経済エコシステム構築を推進します。「銀行預金の安全性と厳格なコンプライアンス」を備えた本スキームにより、貿易手続きのデジタルデータと銀行のシステム上の資金決済を分断なく連動させる大口B2B決済のモデルケースとし、産業DXを加速させます。将来的には国際決済網「Partior」等との連携も見据え、従来の海外送金を「透明化」および「高速化」へ進化させることで、企業の資金効率向上を強力に支援します。
(※1)トークン化預金:銀行預金にブロックチェーンなどの技術を活用し、預金をデジタル上で取り扱えるようにしたもの。スマートコントラクト(自動実行プログラム)等と組み合わせることで、高度な業務自動化や即時決済を実現します。
(※2)CargoXについて:CargoXは、CargoX社が開発した国際P&Iグループ(海上保険の相互組合)の承認を受けた世界的な電子船荷証券(eB/L)管理プラットフォームです。また、非営利団体DCSA(Digital Container Shipping Association)が定める国際標準の相互運用性(インターオペラビリティ)要件をクリアしており、将来的に異なるeB/Lプラットフォーム間でもシームレスなデータ交換が可能な、拡張性と信頼性の高いシステムとして評価されています。
[参考]
商工中金による本取組みの発表:本取組みに関する商工中金による発表につきましては、同日発表の同社プレスリリースをご参照ください。
https://www.shokochukin.co.jp/assets/pdf/nr_261028_01.pdf
■会社概要
企業名 :株式会社STANDAGE(スタンデージ)
設立 :2017年3月7日
代表者 :代表取締役社長CEO 足立 彰紀
所在地 :〒105-0011 東京都港区芝公園1-6-7 住友不動産ランドマークプラザ3F
資本金 :367百万円
事業内容:デジタル貿易プラットフォーム(貿易クラウド、デジトラッドペイメント)およびブロック チェーンを用いた貿易決済システムの開発・提供、中堅・中小企業向け輸出支援サービス『おまかせ貿易』(海外販路開拓および貿易実務の代行・支援)の提供
URL :https://standage.co.jp/
企業名 :株式会社DCP
設立 :2021年12月27日
代表者 :代表取締役 社長執行役員 CEO 兼 COO 平子 惠生
所在地 :〒102-0071 東京都千代田区富士見2-10-2
資本金 :1億円
事業内容:デジタル通貨事業/電子決済等代行業者 関東財務局長(電代)150号
URL :https://www.dcjpy.com/

